atelier*

「 記憶を分けた命たち 」

- Jan 31, 2021

私は祖母や祖父と電話をしている時間が、好きです。祖父母の声が受話器から流れ込んできて、相槌をうつ。うん、うん。私は、彼女と彼の孫。この実感のある命と、受話器の向こうの命の間には、もうひとつ命が存在していて、私は、その命を介して、繋がって、今ここにいて、話している。胸の奥のあたりで、魂がうんと光って、ただただ幸せでぴかぴかしているのがわかる。ぴかぴかが身体から溢れて、私が私であることも、曖昧になってくる。叶うならば、今の私と同年代だった頃の二人と会って、話してみたい。まだまだ話したいことがたくさんある。私が生まれるずっと前の世界のこと、知りたい。祖母の身体から誕生した子が、またその身体に子を宿し、” あー ” 声がでます。手が、動きます。お腹が空いて、眠ることができます。命の間には臍の緒が通っていて、身体はこんなにも確かに繋がっているのに、記憶がそれぞれにしか宿っていないのは、不思議ですね。あなたたちの命を継いで、こうして身体を持たせてもらえたことが、幸せでなりません。